Roland JX-8Pはデジタルシンセサイザー黎明期に生み出された名機 | ART & BEATS

Roland JX-8Pはデジタルシンセサイザー黎明期に生み出された名機

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Roland JX-8Pは1983年に同社から発売されたJX-3Pの後継機的な位置づけで発売されましたが、JX-3Pの音質・機能とは大きく異なる性能を備えて製造されました。

デジタルシンセサイザーの黎明期ともいえる時代に発売された、画期的なアナログシンセサイザーであるRoland JX-8Pの歴者や特徴について掘り下げていきましょう。

1.デジタルシンセサイザーへの移行期に発売されたRoland JX-8P

引用元:Roland公式サイト

URL:https://www.roland.com/jp/promos/zen-core/model_expansions/

Roland JX-8Pは1985年に発売されたポリフォニック・アナログ・シンセサイザーです。

61鍵仕様で12DCO・VCF・VCAを搭載したRoland JX-8Pは、Roland最後のアナログシンセサイザーの1つで発売当時の定価は228,000円でした。

時代の主流がアナログシンセサイザーからデジタルシンセサイザーへ移り変わりつつある時代に発売されたRoland JX-8Pは、発売当初よりも少し期間をおいた後にその高い機能・音質が評価されたモデルとなります。

デジタルシンセサイザーの黎明期ともいえる1980年代中~後期に発売されたアナログシンセサイザーには「名機」と呼ばれる機種が多く存在しますが、Roland JX-8Pもその1台として多くの楽曲に仕様されています。

2.Roland JX-8Pを最大活用するには「PG-800(別売り)」が必須

Roland JX-8P単体でも音色のエディットが可能ですが、その性能を最大限に引き出すためには「PG-800(別売り)」という別売りのプログラマーユニットが必要になります。

Roland JX-8Pはフロントパネルにスライダーやツマミ類が省かれ、搭載された多数のボタンによる音色の選択・エディットを行う仕様で「操作がしにくい」というわけではありませんが「直感的な操作に向いている」という訳ではありませんでした。

その点PG-800は割り当てられた各パラメーターをスライダーで操作可能なため、より直感的な音作りや音色の変化を行うことが可能です。

PG-800の発売当時の価格は28,000円でしたが、市場の相場として現在は40,000~50,000円程度で取引されています。

とはいえ、当時の実機やアナログにこだわりがない場合はRoland JX-8Pのサウンドを導入したデジタル音源などを利用したほうがお手軽なのはいうまでもないでしょう。

3.Roland JX-8Pを使用したアーティスト達

ダイナミクス/アフタータッチ機能や幅広い音色「プリセット:64/ユーザー:32」を内蔵したRoland JX-8Pは、その高品質なサウンドや操作性の高さから多くのアーティスト達に使用されています。

ここではそのアーティストの一部を紹介していきましょう。

【Roland JX-8Pを使用したアーティスト達】

a-ha:1982年に結成されたノルウェーのシンセポップバンド
エルトン・ジョン:シンガーソングライター・作曲家・ピアニストとして活躍するイギリスのアーティスト
ヨーロッパ:1979年に結成されたヨーロッパのロックバンド
ゲイリー・ニューマン:イギリスのシンガーソングライター・作曲家・レコーディングプロデューサー
ジャン・ミッシェル・ジャール:フランスの作曲家・レコーディングプロデューサー
グレイス・ジョーンズ:ジャマイカのシンガーソングライター・モデル・女優
ケイトブッシュ:イギリスのシンガーソングライター・ダンサー
UFO:1968年に結成されたイギリスのロックバンド

4.まとめ

Roland JX-8Pはデジタルシンセサイザー黎明期に発売され、現代も名機としてそのサウンドが引き継がれています。

当時その価格帯では実装が難しかったダイナミクス/アフタータッチ機能や幅広い音色が搭載されたRoland JX-8Pは、その後のデジタルシンセサイザーにも影響を与えているともいわれる1台です。

アナログシンセサイザーならではの暖かみあるサウンドは、デジタル音源・楽器が進化を続ける現代においても多くのファンを魅了しています。

その中でも名機といわれるRoland JX-8Pはやはり良質なサウンドや特徴を備えた1台といえるでしょう。